こんにちは。
実咲(@twi_339)です。
「movie records」は映画素人のわたしが、
作品の素晴らしさを言語化して伝えるようになりたい!という連載記事。
4作目は2019年10月に公開された「ジョーカー」です。
Contents
「ジョーカー」の紹介
ジョーカーとは、バットマンに登場する悪役(ヴィラン)。
わたしはバットマンをよく知らずに観に行きましたが、それでもすごい衝撃の作品でした。
あらすじ
「どんな時も笑顔で」
母の言葉を胸に、コメディアンになることを夢見るアーサー。
ピエロとして働きながら、母と共に慎ましく生活していた。
悪役とは程遠い心優しいアーサーが、ジョーカーという悪になるまでの物語。
キャスト・スタッフ
【キャスト】
アーサー・フレック(ジョーカー):ホアキン・フェニックス
マレー・フランクリン:ロバート・デ・ニーロ
ペニー・フレック:フランセス・コンロイ
ソフィー・デュモンド:ザジー・ビーツ
【スタッフ】
監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス/スコット・シルヴァー
「ジョーカー」の感想(※ネタバレあり)
R15+も納得の作品
【R15+】だったので、すごくグロテスクなんだろうか?と思っていましたが、直接的なシーンは少なかったです。
ただ、全編通して暗い重い映画でした。
【R15+】の基準を知らなかったのですが、「いじめ表現」や「暴力表現」などが該当するみたいです。
それであれば、納得。
「ジョーカー」は弱者が強者によって虐げられる描写がとても多いです。
「いじめ表現」と呼ぶには生易しい気もしますが、それに該当すると思います。
笑顔を演じ分けるホアキン・フェニックスの演技力
「ジョーカー」オフィシャルサイトにあるキャッチコピーです。
オープニング、泣きながらピエロの化粧をするアーサー。
それでも、自らの口角を指で引き上げ笑顔を作ります。
クライマックスに近づくにつれて、アーサーの笑顔は変わっていきます。
ジョーカーとなったアーサー。
最後は口からの出血で裂けた口にもピエロにも見えるような化粧で、暴徒を笑顔で見下ろします。
同じ人物の笑顔とは思えませんでした。
序盤の辛そうな笑顔、笑い声。
終盤の狂気が満ちた、もう何にも縛られない笑顔、笑い声。
悪いのは「社会」か、「ジョーカー」か
わたしが以前から考えていたことを、作品を通して問われている気がしました。
例えば、ミステリー小説で、犯人が人を殺してしまう。
被害者は犯人に殺されても仕方がないことをしていた。
この場合の「悪」はどちらなのでしょうか?
前提として、「殺人」は罪です。
ですが、その罪というのもわたしたち人間が決めたことで、完璧ではないと思うんです。
わたしの例えの場合、被害者がいなければ犯人は人を殺さずに済んだ。
犯人に、同情の余地はないのでしょうか?
もし、アーサーが精神病もなく裕福な家に生まれていたら、ジョーカーは生まれなかったのか?
わたしは、誰かがジョーカーになったのではないかと思います。
映画の舞台「ゴッサムシティ」ほどではありませんが、いまの社会も報われな人たちは多くいる。
そう考えると、フィクションではないような気がしてきます。
「ジョーカー」の魅力とは
バットマンに登場するジョーカーがどのような人物かは知りませんが・・・
「悪のカリスマ」と称されるのも納得できてしまいました。
彼は理不尽な社会を知っている。
同じく理不尽な社会で苦しむ者から、支持される。
ジョーカーとなったアーサーはすごく格好良く見えました
家族も何もなくなったからこそ、我慢することから解放されたのでしょう。
「何もない」というのは強みにもなり得る。
CMでも映し出される、階段で一人踊るシーンには魅入ってしまいました。
まとめ
すごく考えさせられる映画でした。
作品として良かったからこそ、しばらくは観たくないと思ってしまいます。
「理不尽で報われない社会に生きていないか?」とエンドロールで問われている気がしました。
観終わると「会社に行きたくない」という人の気持ちがすごくわかります。
理不尽で報われなくても、この社会で生きていかなければならない。
ジョーカーから現実を突きつけられた作品でした。