映画の記録

価値観が違う楽園の恐怖|映画「ミッドサマー」の感想(ネタバレあり)

こんにちは、misaki(@twi_339)です。

movie records」は映画素人のわたしが、
作品の素晴らしさを言語化して伝えるようになりたい!という連載記事。

今回は「Midsommar(ミッドサマー)」です。

公開前からSNSで知って気になっていました。
スリラー映画は今作が初めて!
色鮮やかな予告映像・場面写真に、わたしはスリラー映画を甘くみていたんだなと思いました・・・

「ミッドサマー」の紹介

長編デビュー作が世界中で絶賛され、注目されているアリ・アスター監督の最新作。

監督の「カップルで観に行くと別れる」という発言に、SNSで話題になりました。
(わたしはひとり映画派なので、今作も1人で観にいきましたが…)

あらすじ

不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。

映画.comより引用)

キャスト・スタッフ

【キャスト】(敬称略)
ダニー:フローレンス・ピュー
クリスチャン:ジャック・レイナー
ペレ:ウィルヘルム・ブロングレン

【スタッフ】(敬称略)
監督・脚本:アリ・アスター

「ミッドサマー」の感想(※ネタバレあり)

ここからはネタバレを含む内容もあります。
公式サイトの完全解析ページも読了しているので、その内容が含まれる可能性があります。

不気味な美しい景色

オープニングは、ダニーが家族を失う暗い描写から始まります。
もしこの雰囲気のままの作品だったら、わたしはここまで衝撃を受けなかったかもしれません。

この映画の舞台は、スウェーデンの奥地の村。

予告映像を見れば、笑顔の住民たちと鮮やかで穏やかな風景が広がっています。
そんな幸福に溢れる場所なのに、わたしは不気味さを感じました。

その理由の大きくはカメラワークだと思いました。

広大な土地で撮影をしていたようで、大きなカメラワークが多かったです。
個人的には少し酔いそうだなと思いました…

とはいえ、ここまでカメラワークの大きい作品はあまりないと思います。
特にメイクイーンを決める女たちの踊りは、上からのカメラワークが美しくもあり、不気味でもありました。

misaki
misaki
クライマックス付近のシーンでもあるので、余計にそう感じたのだと思います

どうしてそう感じたのかというと、もうその頃には村で行われているのは異常な祭りだということがわかっているからです。

人を殺す、人の死で祝う祭りに、何の疑いもなく参加し、楽しんでいる村民がこんなにいる。
楽園のような場所で踊るあのシーンは、そういうシーンだったんです。

上から撮影していることで、動きが揃っていることがわかりやすかった。
ある程度統率のとれたあの踊りは、“この祭りに疑いのない人間しかいない”ということを表しているように感じました。

初めてのスリラー映画でハードルが高すぎた

わたしは映画素人で、かつ、ミッドサマーのようなスリラー映画は初めて。

なので、「え?それどういうこと?」と思うことも多く、初心者や素人にはハードルが高い作品だと思いました。

つまり難しかったです。
観終わった後はすぐに公式サイトの解析ページを読みました…(笑)

どうやら神話に絡めたオマージュなどもあったようで、知識のある人はいろいろな伏線に気づくのかもしれません。
解析を読んでもイマイチ理解できないこともありました…

misaki
misaki
わたしは気づけませんでした…

価値観の違いすぎる集落

映画も小説もですが、わたしは登場人物に感情移入しがちです。
自分だったらどう思うか、自分がその立場だったら…など考えてしまいます。

「ミッドサマー」は一切そういうことができなかったです。

異常な集落と文化、ダニーの不安定な性格。
そのどれもが自分の今の生活とはかけ離れすぎていました。

なので、これでいいのだと思っています。
この映画に感情移入できてしまったら、自分にも異常な一面がある気がして怖いから。

異常というか、価値観が違いすぎて怖いと感じました。

「なんでそんなことをするの」なんて思っても無駄なんです。
それがその村の古くからの価値観だから。

さらに怖いと思ったのは“人を殺す”行為を悪いことだと自覚していること。
でも、それを祝祭の当たり前の行為だと村民は受け入れている。

“人を殺す”行為に全くの罪悪感を感じていないのなら、こんなに怖いと思わなかったと思います。

もし集落外の情報を一切絶って、生まれた時からその文化の中に身を置いていたら。
作中の村民たちのような価値観が出来上がってもおかしくない。
そう考えると怖いですよね…

まとめ

正直、好き嫌いが分かれる作品だと思います。

なので、いろんな人に勧めたいかと言われると迷ってしまう作品。
R15+なので、結構際どい描写も多かったですしね…

週の半ばに観たのは間違えたなと思いました…(笑)

カップルで観に行くと別れるかどうかはわかりませんが、映画好き同士じゃないと微妙な雰囲気になることは間違いないと思いました!(笑)