わたしの本棚

本編の伏線を回収した小説「BLEACH Can’t Fear Your Own World」の感想(ネタバレあり)

こんにちは。
misaki(@twi_339)です。

読書が趣味のわたしが、読んだ本を紹介する「わたしの本棚」。
今回は「BLEACH Can’t Fear Your Own World」です。

BLEACH本編完結後のラストノベライズ企画の今作。
何ページあるんだ?ってぐらい分厚い3冊。

これが本編じゃないことに驚きでした…!

「BLEACH Can’t Fear Your Own World」の紹介

原作者は久保帯人さん。
ノベライズの今作の著者は成田良悟さん。

成田良悟さんは「バッカーノ!」「デュラララ!!」シリーズで有名です。
BLEACHでは、今作以外だと「Spirits Are Forever With You」も執筆されています。

この小説は、BLEACH本編完結後のお話です。
なので、原作読了後に読むことをおすすめします!

原作の「そういえば、あれって結局何だったの?」という
本編にはあまり関係なかった伏線や世界観をいくつか回収しています。

原作漫画「BLEACH」について

BLEACH」は2001年から少年ジャンプで連載開始。2016年まで連載されました。
悪霊・虚(ホロウ)から家族を護るため、死神となった高校生・黒崎一護の物語。

わたしは少年漫画の中でも「BLEACH」が大好きです!

最初にアニメを見てから10年以上…
連載が終わっても何回も読み直しています。

misaki
misaki
そんなわたしにとって、この小説は興奮が止まりませんでした…!
空白を埋める一護と死神の縁・小説「BLEACH The Death Save The Strawberry」の感想(ネタバレあり)こんにちは。 misaki(@twi_339)です。 「わたしの本棚」は、読書が趣味のわたしが、読んだ本を紹介する連載記事です。...

余談ですが、連載20周年のプロジェクトとして最終章の千年血戦編のアニメ化も決まりました
原画展の開催も発表されました!

すごく嬉しい…これからがたのしみですね…嬉しい…

あらすじ

霊王護神大戦終結後、平和が訪れたかに思えた尸魂界。
しかし、四大貴族を狙った暗殺事件が起こる。

時を同じくして、現世では謎の宗教団体が急成長。
虚圏では破面と滅却師を襲撃する謎の死神が現れる。

それぞれの騒動は、四大貴族・綱彌代家の新当主・時灘が裏で手を引いていた。

新たな戦いの鍵となるのは九番隊隊長・檜佐木修兵。
本編で遺された謎を巡る物語。

「BLEACH Can’t Fear Your Own World」の感想(ネタバレあり)

ネタバレがあるのでご注意ください。
わたしのオタクの一面が出ています。

サブキャラクターを構成するストーリー

原作では結構影が薄いキャラクターですよね…
(ごめん檜佐木)

アニメではわりとコメディ感の強いキャラとして、オリジナルストーリーではよく登場していた印象です。

あとがきにもありましたが、思い返すと彼を作る要素は王道の主人公のようです。
死神に助けられ、憧れから死神になり。
振り向いてもらえない憧れの(好きな?)女性がいて。

影は薄くても、しっかりと“檜佐木修兵”というストーリーがあります。

特に、檜佐木の元上司は裏切り者である東仙要は重要な位置にいると思います。
裏切られてもなお、檜佐木は東仙を師として尊敬しているからです。

今作では檜佐木と東仙の関係…東仙要という人物が掘り下げられています。

東仙が慕っていた女性・歌匡の死の真相。
どうして藍染と手を組んだのか。

misaki
misaki
本編で描かれてなくても、しっかりとキャラクターにストーリーがあってすごいなと思いました

歌匡の死の真相が、まさか時灘に結び付くとは思いませんでした。
そういえば貴族の元に嫁いだという描写もありましたね。

あの事件がなければ、東仙は死神になることはなかったでしょうが、世界を恨むこともなかったんでしょうね。
でも、東仙が死神にならなければ、檜佐木は死神にならなかった。
…複雑だなと思います。

明らかになる2人の卍解

BLEACHといえば、卍解ですよね!
護廷十三隊隊長は習得が必須条件となっていて、副隊長も数人習得しています。

原作内で卍解を使わなかったキャラクターもいたので、わたしはすごく気になっていました…

今作では、本編で隊長を務めていた平子真子と、副隊長の檜佐木修兵の卍解が明かされます。

misaki
misaki
平子真子は特に好きなキャラクターなので、やっと登場して嬉しい…!

どうしても卍解を使えないと作品の中では活躍しづらい気がするんですよね…
ラストノベライズなので、恐らく続編はありませんが(あったら嬉しいけど)こういう場所で活躍の機会があってよかったです!

檜佐木の卍解については、習得の段階も描かれていて、新しいなと思いました。
言葉としては公開されていましたが、描写は初出しですよね。

精神世界で斬魄刀と対峙する。
ここでアニメオリジナルの斬魄刀異聞篇が絡んできたのが、ファンにとっては胸熱なんじゃないでしょうか…!

アニメオリジナルは原作とは別物と考える人もいると思いますが、そうじゃなくて全て含めてBLEACHという作品なんだと公式から提示された気がします。

アニメと原作に食い違いが生まれると、正直萎えたりするんですが…
今回の描写によって、もう一度アニメオリジナルも見たいなと思いました。

「BLEACH」は神話のような物語だった

今作で世界の成り立ちや霊王の謎が解き明かされるのですが、わたしは読み終わって「これ神話みたいだな…」と思いました。

よく考えれば死神って、神話的な立ち位置でもあります。
コミックスの序盤で“魂の調整者”であることも明かされていましたし、世界にとって重要な存在です。

現在の世界は五大貴族の罪から成り立っていた。

霊王は世界の楔としてあり、楔としたのは五大貴族の始祖。
ひとりの犠牲の上に出来上がった世界。

王ではなく、生贄の方がしっくりくるような気がします。

手足をもがれ、臓腑を抜かれ、それらは魂の循環によって流れて行く。
流れ着いた先の魂は“完現術者”となる。

misaki
misaki
ハァ〜〜〜なるほど〜〜〜

原作では、一護の死神の力を取り戻すために完現術が登場しました。
なので、わたしは完現術者は遺伝子の突然変異的な立ち位置だと思っていたんです。

でもそれは私の勝手な解釈で、明言はされていませんでしたね…
突然変異ではなく、たまたま霊王の欠片が魂の中に混ざった人間だった。

滅却師の力の源流も霊王。
滅却師の始祖であるユーハバッハにとっては父とも言える存在。

ユーハバッハの霊王護神大戦の目的は、世界を元の形に戻し、霊王を救うことだった。

misaki
misaki
この小説を読んだことによって、原作への解釈が大きく変わった気がしました

死神が護ってきた“霊王”という存在は、自分たち死神の貴族の罪の塊。
それを知らずにほとんどの死神は戦っている。

何が正義なのか。
何が悪なのか。

五大貴族の動機がそれぞれ違ったように、善悪の判断に正解はありません。

BLEACH連載終了時に、「広げるだけ広げた伏線が回収しきれていない!」という声が出ていましたが、こんな小難しい話を少年ジャンプでされても、ほとんどの人が着いていけないのではないでしょうか…

久保先生いわく、BLEACHは“黒崎一護の物語”
彼は死神ではないので、こんな世界の成り立ちはきっとこれからも知らなくていいことなのです。

だからBLEACH本編では回収できない伏線が多かったのではないでしょうか。

まとめ

すんごいボリュームのある小説でしたが、原作ファンであるわたしは読んでよかったと思いました。

misaki
misaki
ボリュームありすぎて、書き漏らしたことないかな…と不安になってます。きっとある…

欲を言うなら、まだ描写されていないあれこれをノベライズでもなんでもいいから…出して…くれませんかね久保先生……

BLEACHの姉妹作品とでもいうんでしょうか、「BURN THE WICTH」の展開も20周年プロジェクトで発表がありましたし、期待しちゃいます…オタクなので…

千年血戦篇のアニメ化も決まりましたし、また原作イチから読もうかな!
BLEACHはわたしのオタク趣味の原点でもあるので、連載終了後もこうして盛り上がれるのは嬉しい限りです。